IslandLife 〜沖縄の離島生活記〜

都会の飲食店で2年半勤務した後、南の島に移住して2年目突入。日々のことを綴ります。

カレーとサーカス。

f:id:IslandLife:20191123081931j:image

今日はバターチキンカレーを作った。しかも2回。

最近、またカレー熱が上がってきてているのである。


ここ1週間でカレーを作った回数、5回。


どんだけカレー好きやねんっていう。

まぁ前置きは置いといて、以前はクミンをベースに五種類ぐらいの香辛料を調合したスタンダードなカレーをレシピ通りに作っていた。

スパイスから作るカレーに憧れて、いつも手順通りに作るだけで楽しかった。

作ることを何回も重ねていくうちに次第に自分の色を出したくなっていった。

沖縄だからコーレークースー(泡盛島唐辛子を漬け込んだ調味料)が合うんじゃないか!とか黒糖入れよう、ピパーツ(八重山に自生する島胡椒)も泡盛もいいかも!

などと、世界がどんどん広がっていった。


例えるならばレゴで遊んでいる時に似ている。

大人になってしまった今、レゴで遊ぶことはなくなったけれど、色や形の違うブロックを組み合わせて何かを作っていくあの感じがカレー作りとよく似てるなと思った。


当然、作るものをイメージしたり組み上げていく時が楽しいのは同じで、完成途中もワクワクしている。

一つ違うとするならば、出来上がった時に食べれるか遊べるかの違いだと思う。


当たり前だ。


飴色になった玉ねぎにニンニクやショウガを混ぜながら頭を巡らすと、この経験は昔に体験した何かに似てるぞ!ということに気がついた。

なんだったかな…

よくよく考えてみると中学校の授業で行った理科の実験とそっくりだということに辿り着いた。

マグネシウムリボンを酸性の液体に入れるととてつもない速さで溶けていく時の衝撃。あれにとても似ている。

これから何が起こるのかと期待しながらドキドキする楽しさがカレー作りには隠れていると僕は思う。


いい意味で実験をしながら思いっきり食材で遊んでいると思う。


ホールトマトを混ぜ、チキンを入れて色が変わった頃、いつもはヨーグルトを混ぜて作っていたが離島なのでなかなか手に入らない。

基本の形にこだわってばかりいたからなかなかその先に進むことはできなかったが、スパイシー丸山さんのレシピを見て牛乳で代用し、作れることを覚えた。

それからほとんど牛乳で作るようになった。

ただ、今回に関しては二回目の時に牛乳が切れてしまったので苦肉の策として生クリームで作ってみた。

するとなんともまぁ、クリーミーなこと。一気に上品に仕上がった。食材が足りなかったら他で代用できないかと困っていたけれど案外、冒険ってしてみるもので僕の場合は今回のことがうまくハマった。


クリーミーカレーの完成だ!

ゆうほどクリーミーじゃないけれど。


こうしてガラムマサラ、ウコンなどのパウダースパイス、黒糖、泡盛、忘れてはいけない粉状に潰したカシューナッツを少量の水に入れ、馴染ませておいたものを混ぜ入れる。

カシューナッツはコクを出すために北インドのカレーによく使われている。これもスパイシー丸山さんの知識。

丸山さん、ありがとうございます!

https://ameblo.jp/maruyamashu/

↑丸山さんのブログ

 

f:id:IslandLife:20191123082001j:image
そうしてある程度煮込んだ後にバターを入れ、馴染ませる。最後に岩塩をひとつまみ混ぜ入れながら、なんでスパイスって味も香りもバラバラなのに合わさると美味しいんだろう。っていうのをずっと考えてた。

シンプルにいろいろな味がして美味しいのではあるけれど、深く掘り下げると、擬人化したスパイスが頭の中に浮かんできた。

カルダモンのような香りの底を支える人やクローブのように甘い華やかさを持った人。クラスの中心人物のようなクミンや丸くて可愛いグリーンコリアンダーも忘れちゃいけない。

でも、フェネグリーヴはなかなか扱しいから難しいから苦手だ。

以前、試しに使った時は入れ過ぎたのか苦味が勝りいつものカレーではないと思って使うのをやめてしまった。

でもそれは僕が調合が下手くそだからまだその良さを生かさないでいるだけなのだ。


そう思っていると今度はフェネグリーヴのことが知りたいと思った。

カレーに入れたら苦くなるというだけで使わないのはもったいないし、何も知らずに使わないというのはもっといけないと思った。

気になってざっくり調べてみると、挽くとカラメルのような香りと若干の苦味が出るそうだ。

僕はこのこの苦味だけに焦点を当ててしまっていたので気がつかなかった。

欠点だけに目がいってしまい、良さに気がつかなかった。


…こうしてみると僕はサーカスの団長みたいだなと思ってしまった。

スパイスはどれも個性的で唯一無二の良さを持っている。

さや香り、苦味、食感。

お互いの欠点や良さが混ざり合い最終的には一つのものとなるからカレーは美味しいのだろうか。

それでもほんの少しの調合で味が変わってしまう。

よく言われる言葉だけど、似たようなものは作れるが全く同じものは作れない。


そして、この島もスパイスみたいな人が沢山住んでいる。

一人だとピリリと辛い人、華やかさを持った人、人生の深みを知ってる人、思いやりを持った温かな人、合わさることで複雑で奥深く、果てしなく広がっていく。


サーカスの団長になることはできないけれど、僕も仲間の一員としてこの島を盛り上げていきたいと思った。

f:id:IslandLife:20191123082012j:image

完成したカレー。泡盛と黒糖を入れるととても美味しい。


人気ブログランキング

押忍!お願い致します!