星空とガチャポンのノスタルジー。
星空の撮影はガチャガチャ、ガチャポン…もといカプセル自販機に似ている。
100円を入れハンドルを回した時のドキドキ感にそっくりだ。
小学生だったあの頃は…掃除や洗濯を手伝い、お小遣いを貰っては貯めた百円玉たちを握りしめて、一つ隣駅にあるラジコン屋さんのガチャガチャを回しに行くのがとても楽しみだった。
そう、例えるなら世の中の男性がパチンコに行くように、僕もまた小さなギャンブラーだったのだ。
プラモ屋に着くと決まってガンダムの消しゴムが入ったものを回した。
中でも変形機構が付いているものがとても好きだった。
だが現実はそんなに甘くなく、ハズレを引くことが多かった。頑張ってお金を貯めてもハズレが続き、欲しい物のラインナップが変わってしまって、あぁ…あれは手に入らなくなったと悲しくなったこともある。
でもそんな時は、友達に交渉をして交換してもらうこともあった。勿論、こちらのものもかっこいいものやみんなが狙ってるものを用意する必要がある。
そして付属したパーツの色違いや消しゴムの色でもランクがあった。
中でも青い色のベースに金色のパーツは希少価値が高く、みんなの憧れだった。
…そんな昔のことを思い出しながらシャッターを切ると画面に鮮やかな星空が映し出され、新しいことをしているのに、小学生の頃に戻ったような不思議な気持ちになった。
星雲を狙い、F値(低いと光がたくさん入る。高いと少ししか入らない。)とISO(高ければ高いほどノイズが入るが明るくなる)、シャッタースピード(カシャ!っと切るまでの時間)を調整してまずは試し撮影をしながら本番の写真を撮る。
違う、この写真じゃない。微妙にピンボケしている。
これの構図だと面白くない。
もう一回。
星を撮りに外に出て、2時間ほどシャッターを切るけれど、納得のいく写真が撮れるのはその日に一枚撮れるか撮れないかだ。
カシャカシャシャッターを切れるわけではなく、写真を一枚撮るのに5分はかかる。
露光時間を長くしているためだ。
そのベストな写真を撮るために夜な夜な荷物を抱え、港へ出かける。
ファインダー越しに写る星空を見据えて、無心になる。
その時、僕は寸分たがわず、小学生の僕だった。
二十年の歳月が流れて色々な仕事や経験を重ね、今は日本の端にいて一人暮らしもするようになり、体系も横に大きくなってしまった。
だけど、変わらないものが自分の根っこにあった。
夢中になって設定をいじり、シャッターを切る。
これからもあの時のドキドキする気持ちやワクワクする気持ちをもって日々を過ごしていきたいなと思った。
画面に向かって左に見えるのが銀河、真ん中が鳴り響いていた遠雷、右の軌跡が飛行機だ。
星を撮り始めて2ヶ月、少しずつ自分の描いたものを写真に収めれるようになったのかなと思う。
使用機種
PENTAX k-70
アストロレーサー使用。
F値 4.0
ISO 3200
露光 5:00
鳩間の港にて。
pm23:45
南の空をのぞむ
押忍!宜しくお願い致します!