IslandLife 〜沖縄の離島生活記〜

都会の飲食店で2年半勤務した後、南の島に移住して2年目突入。日々のことを綴ります。

最近の、いろいろ。

夏に実家に帰った。

しかも、3週間近く。

冬眠から目覚めた山の生き物のように、島から二ヶ月ぶりぐらいに出た。

そわそわするような、ムズムズするような、不思議な気持ちと一緒に実家に帰った。

実家の近くの地方の小さい都市に着くと、慣れていたはずの人混みにすぐに疲れてしまった。

電車に乗るときも、バスに乗るときも、地下街を歩く時も…数えたらきりがないぐらい島を出てから人にぶつからないようにしたり、なるたけ迷惑にならないようにしたりと周りの事に注意を向けながら歩いていた。

 

こんなに大変なところで、毎日生活をしていたのか。

 

というのが故郷に帰ってきて早々に抱いた僕の率直な感想だった。

そうこう考えているうちに、電車を乗り継ぎ僕の暮らしていた街に着いた。

 

故郷の姿は前に見た景色と少し違っていた。

新しい家が建っていたし、見られないドラッグストアも出来ていた。

なくなってしまったものはたくさんあった。

あの頃遊んでいた友達の家や、学校の裏の薄暗くて怖い森。

みんな、変わっていった。

 

僕は大事にしていたものや好きだったものが、なくなってしまったり変わってしまうことに対して免疫がない。

その時、心がささくれ立ったけれどそれでも変わらない友達やお世話になった恩師、温かく迎えてくれる家族がいた。

 

故郷を離れ、時間が経ち、移ろう日々の中で忘れかけていたりすることも沢山ある。

でも、心の中の故郷はいつだってあの時と変わらない。

1秒を縮めるために練習に明け暮れた部活やふざけあったり時には励ましあった同級生たち、お腹を空かして帰ってきた時の夕餉の匂い。

美しい思い出があるからこそ、それが輝きあの頃は良かったな、なんて考えてしまう。

でも摂理の中で、逆に普遍的なものなど存在することの方が難しくて、ずっとそのままなんてことはない。

 

頭でわかってても心がチクチク痛む。

あの時に戻ることはできない。

だからこそ、いろいろなことを心の中にしまって忘れないように生きていける。

 

悲しみや嬉しさ、全てをひっくるめて人の心が温かいのは無償の愛だったり、かけがえのない思い出だったり、数えきれない気持ちの一つ一つのことが自分の心を形作っている。

 

ありきたりな言葉だけれど、そう思えるような場所、いつでも帰ってこれる場所があることは本当に幸せなことだと思う。

 

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祖母が住む京都で写した写真。

二条城、七夕祭りにて。